本日は、カリフォルニアレポートの続きと行きましょう。
本日ご紹介するのは、サンタ・バーバラのレジェンドシェイパー、
ティム・ボウラーさん。
1968年にシェイプをスタートしたGreg Liddle氏のファクトリーで、
サンディングマンとしてサーフボードに関わる仕事をスタート。
翌年の1969年には、初のシェイピングを経験します。
その後、グレッグ・リドル氏、レイノルズ・イエーター氏らから、
多くのシェイピングを学び、1972年に自らのブランドShapes and Hullsを設立。
歴史の深い素晴らしいシェイプのサーフボードをリリースする
ティムさんですが、不思議な事に、これまで、皆さん知りませんでしたよね。
何故でしょう・・・。
はい、ティムさんは、70年代は多くのサーフボードをシェイプし、
サンタバーバラでは、有名なシェイパーとして活躍していたのですが、
その後、アラスカに移住しました。
アラスカでもシェイプを続けながら、同時に造船も学び、
鮭漁をして生活を支えていました。
そして、5年前に地元である、サンタバーバラに戻ってきたのです。
アメリカでは、カリフォルニアがサーフィンカルチャーの中心。
全ての情報は、カリフォルニアから発信されるわけで、
アラスカに住んでいるティムさんの情報は、世界に発信される事が
無かったんですね。
今だったら、SNSで世界中の何処にいても、一瞬にして情報を
拡散できますが、当時のサーフィンの情報なんて、せいぜい、
限られた雑誌ぐらい。
そうなると、簡単にはアラスカのシェイパーの情報は、
世の中に広まっていく事はありません。
ですが、ティムさんは、30年近くもアラスカに住みながら、
独自の発想で、新しいデザインのシェイピングを構築していくのです。
ティムさんのサーフボードデザインの中で、最も目を引くのが
フレックスフィン。
これは、シェイピングを始めるきっかけとなった、
ジョージ・グリーノウ氏との出会いがきっかけ。
天才と言われるジョージ・グリーノウ氏は、サーフボードの
デザインの全てが革新的で刺激的なものでした。
ジョージ・グリーノウ氏と交流している内に、フィンがもたらす
サーフボード、または、サーフィンへの影響の大きさに気付き、
あのフレックスフィンの開発が始まったのです。
(という事は、60年代の後期には、
フレックスフィンのプロトが存在したという事です。)
ティムさんは、単なるシェイパーではありません。
流体力学や流体静力学をマスターした、インテリなシェイパーなのです。
サーフボードのデザインを、単純に感覚だけでシェイプするのではなく、
根拠に基づく数値から、水の抵抗の効率化を考慮したデザインを生み出しているのです。
はい、ティムさんは、シェイプや造船をするにあたり、
ちゃんと、デスクに向かってその原理を学んだ上で
形にしていくという方なのです。
確かにティムさんのサーフボードに初めて乗った時、
本当に衝撃的でしたからね〜。
試しに2本。ってノリで、まあまあ、試してみましょう。
って感じだったのですが、乗った瞬間に、本格的に始めなきゃ・・・。
って、直感的に感じましたからね。
綿密に計算され完成したボードということでしょう。
話があっち行ったりこっち行ったりで
申し訳ございません。
なにしろ、お伝えすべき事が山ほどある大レジェンドなもので・・・。
こちら、ティムさんの試作ボード。
確か6'4"って仰ってましたかね。
ベロスプーンの様なアウトラインを持つこのボードですが、
ボトムは完全にハルスタビーで、レイルもかなりのナイフィーなもの。
これに、クワッドのフレックスフィンをセットするのだそうです。
ティムさんは、現在67歳。
とは言っても未だに6’代の短いボードに
乗る現役バリバリのサーファー。
若い頃は、世界中を周りビッグウエーブをメイクしてきた、
バッキバキのサーファーだったんです。
6歳の時、マリブでサーフィンを初め、今年でサーフィン歴
なんと61年!!
未だに、自らボードをテストし、今尚、進化し続ける
スーパーレジェンドシェイパーという訳ですね。
今回、日本に帰国後、改めてティムさんに幾つかの質問をさせていただきました。
その中で、私が皆さんに、一番、読んで欲しい内容がこちら。
若いサーファーに伝えたい事はありますか?
これからの若い人々に、いま正直に思うことは、
海の中ではもちろん、それ以外でも、他の人と年輩者には
敬意を払うことを心に置いていてほしい。
その謙虚な姿勢で、この遥かな海原を共有し、
皆、それぞれが楽しめるライダーでいてほしいと思います。
また、別角度からのアドバイスでは、歴史について学び、
数学や流体力学および流体静力学なども、サーフィンには役立ちます。
全ては、知識あってこそなのです。
現代のサーファーと当時のサーファーとの違いを教えて下さい。
60年代から70年代を振り返ると、当時のサーファーは、
熟練したウォーターマンでした。
リーシュコードもまだ無い為、皆、かなり泳ぎに長けていなければならず、
それは、パワーのある大きな波の時、特に顕著でした。
また、多くの優れたサーファー達は、ライフガードをしたり、
ダイバーの仕事もしていました。
今ではあり得ないかもしれないけれど、とにかく、
海で過ごす時間が一日の大半だったんです!
こうして、私たちが過ごしてきた時代背景や、
当時の経験豊かなシェーパーや設計士と共に過ごした時間は、
今この現代では、やはり無きものでしょう。
う〜ん。
私、この文章を読んだ時、マジで鳥肌が立ちました。
本物のレジェンドが、次世代のサーファーに伝えたいメッセージ
という事になるのですが、その言葉の全てがリアルに経験してきた方から
発せられた言葉だけに、重い重い。
最近、私も感じますが、日本は、ここ20年で急変しました。
以下、私見として長くなりなりますが、
例えば・・・
若い子達や子供達は、人と接する時間が極端に減っている。
だから、知り合いにあっても挨拶なんかしませんよ。
リアルな経験を肌で感じる事なく、インターネットで調べたりして、
経験したかの様な錯覚に陥っている。これ、一番マズイね。
何か不具合やトラブルが起きた時、とにかく、他人に責任を押し付ける。
男が男じゃなくなっている笑。(でも、マジで)
まあまあ、もちろん全て悪い事ばかりじゃ無いと思いますが、
世界的に見ても、日本は、確実にヤバい方向に
進んじゃってる感は否めません。
これは、若い子達が悪いんじゃなくて、
全ての問題は、社会の風潮と教育。
でも、サーフィンは、運良く自然の中で遊ぶスポーツ。
自然も人も肌でダイレクトに感じ、自分で判断して行動する場が
たくさんある素晴らしいスポーツじゃないですか。
当時のサーファーの様な行動は到底無理ですが、
せめて、ティムさんの様な方達からの貴重なアドバイスを
しっかりと受け止めて、中途半端な野郎
だけにはなら無い様に生きていくのが、
とっても、大事な事だと思います。
波は、昔と変わりませんから。
サーファーとして、忘れかけている日本人の心っちゅうものを、
こんな貴重なお言葉をきっかけに、思い出してみるのも
いいんじゃ無いですかね。
ティムさん、今は今でメチャクチャカッコいい方ですが、
若かりし頃は、相当ヤバかったんでしょうね〜。
今後のShapes snd Hullsにご期待ください!
この記事を読んだ貴方。
ブログを書いた何日後でも構いませんよ。
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今日の鎌倉イマイチでした。
ホーリー梶川
本日ご紹介するのは、サンタ・バーバラのレジェンドシェイパー、
ティム・ボウラーさん。
1968年にシェイプをスタートしたGreg Liddle氏のファクトリーで、
サンディングマンとしてサーフボードに関わる仕事をスタート。
翌年の1969年には、初のシェイピングを経験します。
その後、グレッグ・リドル氏、レイノルズ・イエーター氏らから、
多くのシェイピングを学び、1972年に自らのブランドShapes and Hullsを設立。
歴史の深い素晴らしいシェイプのサーフボードをリリースする
ティムさんですが、不思議な事に、これまで、皆さん知りませんでしたよね。
何故でしょう・・・。
はい、ティムさんは、70年代は多くのサーフボードをシェイプし、
サンタバーバラでは、有名なシェイパーとして活躍していたのですが、
その後、アラスカに移住しました。
アラスカでもシェイプを続けながら、同時に造船も学び、
鮭漁をして生活を支えていました。
そして、5年前に地元である、サンタバーバラに戻ってきたのです。
アメリカでは、カリフォルニアがサーフィンカルチャーの中心。
全ての情報は、カリフォルニアから発信されるわけで、
アラスカに住んでいるティムさんの情報は、世界に発信される事が
無かったんですね。
今だったら、SNSで世界中の何処にいても、一瞬にして情報を
拡散できますが、当時のサーフィンの情報なんて、せいぜい、
限られた雑誌ぐらい。
そうなると、簡単にはアラスカのシェイパーの情報は、
世の中に広まっていく事はありません。
ですが、ティムさんは、30年近くもアラスカに住みながら、
独自の発想で、新しいデザインのシェイピングを構築していくのです。
ティムさんのサーフボードデザインの中で、最も目を引くのが
フレックスフィン。
これは、シェイピングを始めるきっかけとなった、
ジョージ・グリーノウ氏との出会いがきっかけ。
天才と言われるジョージ・グリーノウ氏は、サーフボードの
デザインの全てが革新的で刺激的なものでした。
ジョージ・グリーノウ氏と交流している内に、フィンがもたらす
サーフボード、または、サーフィンへの影響の大きさに気付き、
あのフレックスフィンの開発が始まったのです。
(という事は、60年代の後期には、
フレックスフィンのプロトが存在したという事です。)
ティムさんは、単なるシェイパーではありません。
流体力学や流体静力学をマスターした、インテリなシェイパーなのです。
サーフボードのデザインを、単純に感覚だけでシェイプするのではなく、
根拠に基づく数値から、水の抵抗の効率化を考慮したデザインを生み出しているのです。
はい、ティムさんは、シェイプや造船をするにあたり、
ちゃんと、デスクに向かってその原理を学んだ上で
形にしていくという方なのです。
確かにティムさんのサーフボードに初めて乗った時、
本当に衝撃的でしたからね〜。
試しに2本。ってノリで、まあまあ、試してみましょう。
って感じだったのですが、乗った瞬間に、本格的に始めなきゃ・・・。
って、直感的に感じましたからね。
綿密に計算され完成したボードということでしょう。
話があっち行ったりこっち行ったりで
申し訳ございません。
なにしろ、お伝えすべき事が山ほどある大レジェンドなもので・・・。
こちら、ティムさんの試作ボード。
確か6'4"って仰ってましたかね。
ベロスプーンの様なアウトラインを持つこのボードですが、
ボトムは完全にハルスタビーで、レイルもかなりのナイフィーなもの。
これに、クワッドのフレックスフィンをセットするのだそうです。
ティムさんは、現在67歳。
とは言っても未だに6’代の短いボードに
乗る現役バリバリのサーファー。
若い頃は、世界中を周りビッグウエーブをメイクしてきた、
バッキバキのサーファーだったんです。
6歳の時、マリブでサーフィンを初め、今年でサーフィン歴
なんと61年!!
未だに、自らボードをテストし、今尚、進化し続ける
スーパーレジェンドシェイパーという訳ですね。
今回、日本に帰国後、改めてティムさんに幾つかの質問をさせていただきました。
その中で、私が皆さんに、一番、読んで欲しい内容がこちら。
若いサーファーに伝えたい事はありますか?
これからの若い人々に、いま正直に思うことは、
海の中ではもちろん、それ以外でも、他の人と年輩者には
敬意を払うことを心に置いていてほしい。
その謙虚な姿勢で、この遥かな海原を共有し、
皆、それぞれが楽しめるライダーでいてほしいと思います。
また、別角度からのアドバイスでは、歴史について学び、
数学や流体力学および流体静力学なども、サーフィンには役立ちます。
全ては、知識あってこそなのです。
現代のサーファーと当時のサーファーとの違いを教えて下さい。
60年代から70年代を振り返ると、当時のサーファーは、
熟練したウォーターマンでした。
リーシュコードもまだ無い為、皆、かなり泳ぎに長けていなければならず、
それは、パワーのある大きな波の時、特に顕著でした。
また、多くの優れたサーファー達は、ライフガードをしたり、
ダイバーの仕事もしていました。
今ではあり得ないかもしれないけれど、とにかく、
海で過ごす時間が一日の大半だったんです!
こうして、私たちが過ごしてきた時代背景や、
当時の経験豊かなシェーパーや設計士と共に過ごした時間は、
今この現代では、やはり無きものでしょう。
う〜ん。
私、この文章を読んだ時、マジで鳥肌が立ちました。
本物のレジェンドが、次世代のサーファーに伝えたいメッセージ
という事になるのですが、その言葉の全てがリアルに経験してきた方から
発せられた言葉だけに、重い重い。
最近、私も感じますが、日本は、ここ20年で急変しました。
以下、私見として長くなりなりますが、
例えば・・・
若い子達や子供達は、人と接する時間が極端に減っている。
だから、知り合いにあっても挨拶なんかしませんよ。
リアルな経験を肌で感じる事なく、インターネットで調べたりして、
経験したかの様な錯覚に陥っている。これ、一番マズイね。
何か不具合やトラブルが起きた時、とにかく、他人に責任を押し付ける。
男が男じゃなくなっている笑。(でも、マジで)
まあまあ、もちろん全て悪い事ばかりじゃ無いと思いますが、
世界的に見ても、日本は、確実にヤバい方向に
進んじゃってる感は否めません。
これは、若い子達が悪いんじゃなくて、
全ての問題は、社会の風潮と教育。
でも、サーフィンは、運良く自然の中で遊ぶスポーツ。
自然も人も肌でダイレクトに感じ、自分で判断して行動する場が
たくさんある素晴らしいスポーツじゃないですか。
当時のサーファーの様な行動は到底無理ですが、
せめて、ティムさんの様な方達からの貴重なアドバイスを
しっかりと受け止めて、中途半端な野郎
だけにはなら無い様に生きていくのが、
とっても、大事な事だと思います。
波は、昔と変わりませんから。
サーファーとして、忘れかけている日本人の心っちゅうものを、
こんな貴重なお言葉をきっかけに、思い出してみるのも
いいんじゃ無いですかね。
ティムさん、今は今でメチャクチャカッコいい方ですが、
若かりし頃は、相当ヤバかったんでしょうね〜。
今後のShapes snd Hullsにご期待ください!
この記事を読んだ貴方。
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今日の鎌倉イマイチでした。
ホーリー梶川